月次報告

小売業月次売上高レポートvol.1

4月の小売業合計既存店売上高は0.2%増

Hidden Gemsでは、上場企業を中心に月次売上高の開示がある小売業245社の既存店売上高、客数、客単価を毎月集計し、「小売業月次売上高レポート」と題して、毎月こちらのニュースにてご報告いたします。
CPI(消費者物価指数)よりも早い、リアルタイムでの小売業界における客数・客単価のトレンドや、サブセクター(業種)別の売上トレンドなどをご紹介します。

より詳細なデータや概要にご興味のある方は「お問い合わせ」までご連絡ください。

22サブセクターのうち、プラスは11サブセクター:

4月の小売業合計既存店売上高前年同月比(単純平均)は0.2%増、うち、純小売りは0.3%増、外食は横ばいと、どちらも3ヶ月連続のプラスとなりました。
図表1:サブセクター別既存店売上高前年同月比伸び率(単純平均)(直近月降順、%) 出所:各社データよりHidden Gems
注:通販セクターは既存店売上高開示企業がないため、全店ベースでの数値を採用。上記単純平均値には、通販以外の一部企業で既存店売上高の開示がない企業の値を含みません。

サブセクター別伸び率:

上位3サブセクターは、メガネ専門店 (7.6%増)、通販 (5.3%増)、ドラッグストア(3.9%増)。下位3サブセクターは、本・CD・DVD販売/レンタル専門店 (3.7%減)、身回り品専門店(2.4%減)、GMS (2.1%減)でした。

メガネ専門店は、メガネスーパーを中核に持つビジョナリーホールディングス(9263)の既存店売上高が24.1%増と、高度な検眼技術や高齢者向けの出張サービスなど、付加価値提供型のビジネスモデルへのシフトが客単価の上昇に繋がっており、2ヶ月連続の2ケタ増となったことが主な牽引役となりました。
通販セクターの伸びは、TV ショッピングの売上が急伸したアイケイ(2722)の売上高が23.7%増と大きく伸長したことが要因。
ドラッグストアはサブセクター別で最も堅調な推移の続く業態のひとつであり、2017年4月以降、プラスの推移が続いています。
一方、本・CD・DVD販売/レンタル専門店は、ECやストリーミング配信などの販売チャネルシフトによる構造不況に陥っており、2015年5月以降、2ヶ月を除きマイナスが続いています。

「3-12」トップスリー:

Hidden Gemsでは、既存店売上高の3ヶ月移動平均値(直近3ヶ月の平均値)と12ヶ月移動平均値(直近12ヶ月の平均値)の差異を「3-12(さんひくじゅうに)」と命名し、長期月次トレンドに対し、短期月次トレンドが浮上・悪化している企業をピックアップし、ご紹介していきます。

3-12の絶対値トップ3(直近3ヶ月の平均値が直近12ヶ月を大きく上回る):

ジーンズメイト(7448)、ジンズ(3046)、𠮷野家ホールディングス(9861)

3-12の前月比改善(「3-12」の絶対値が前月に比べて大きく上回る):

アイケイ(2722)、ビジョナリーホールディングス (9263)、ハニーズ (2792)

既存店客数および客単価の推移:

4月単月の客数及び客単価は、それぞれ0.8%減、0.9%増でした。客単価は2016年10月以降、19ヶ月連続のプラスが続いていることに加え、更に長期のトレンドでは、2010年12月に客単価がプラスに転じて以降、単月でマイナスに転じたのは僅かに5ヶ月しかなく、客単価の伸びが既存店売上高の牽引役となる傾向が続いています。

4月度データ集計企業数は、245社(純小売り184社、外食61社)。
図表2:既存店売上高・客数・客単価前年比3ヶ月移動平均値の推移(%) 出所:各社データよりHidden Gems
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