月次報告

小売業月次売上高レポートvol.3
6月の小売業合計既存店売上高は1.1%増

Hidden Gemsでは、上場企業を中心に月次売上高の開示がある小売業248社の既存店売上高、客数、客単価を毎月集計し、「小売業月次売上高レポート」と題して、毎月こちらのニュースにてご報告いたします。
CPI(消費者物価指数)よりも早い、リアルタイムでの小売業界における客数・客単価のトレンドや、サブセクター(業種)別の売上トレンドなどをご紹介します。

より詳細なデータや概要にご興味のある方は「お問い合わせ」までご連絡ください。

22サブセクターのうち、プラスは18サブセクター:

6月の小売業合計既存店売上高前年同月比(単純平均)は1.1%増。うち、純小売りは1.2%増、外食は0.9%増と、共にプラスとなりました。

6月は例年よりも早い梅雨明けとなったことに加え、降雨が多く客数減が目立った5月からの反動もあり、直近1年でもプラスのサブセクターが一番多い月となりました。
図表1:サブセクター別既存店売上高前年同月比伸び率(単純平均)(直近月降順、%) 出所:各社データよりHidden Gems
注:通販セクターは既存店売上高開示企業がないため、全店ベースでの数値を採用。上記単純平均値には、通販以外の一部企業で既存店売上高の開示がない企業の値を含みません。

サブセクター別伸び率:

上位3サブセクターは、通販 (7.2 %増)、百貨店 (6.7%増)、メガネ専門店 (6.4%増)。下位3サブセクターは、家具・ライフスタイル型専門店(4.1%減)、ホームセンター(2.3%減)、その他(0.8%減)でした。

通販セクターは、アイケイ(2722)が18.6%増と、主力のメーカーベンダー事業において強化しているTV・WEB、通販、海外ルートでの伸長が続いていることに加えて、アスクル(2678)でも主力のBtoB事業の伸びが牽引し、14.7%増となりました。

百貨店は、例年より早い梅雨明けと、6月末からスタートした夏のセール開催期間の土曜日が前年より1日多いこともあり、全体的に好調でした。特に、セール開始日を前年の7月中旬から6月29日に変更した三越伊勢丹ホールディングス(3099)では、伊勢丹新宿店が20.0%増と大きく伸長するなど、6ヶ月振りのプラスとなりました。

メガネ専門店は、メガネスーパーを中核に持つビジョナリーホールディングス(9263)の既存店売上高が20.4%増と、5月度(28.7%増)に続き大幅に伸長したことが牽引役となりました。

一方、家具・ライフスタイル型専門店では、大塚家具(8186)の既存店売上高が17.4%減となるなど、大幅な減少が続いているほか、ニトリ(9843)でも、季節品の伸び悩みにより4.5%減となるなど、不振でした。

「3-12」トップスリー:

Hidden Gemsでは、既存店売上高の3ヶ月移動平均値(直近3ヶ月の平均値)と12ヶ月移動平均値(直近12ヶ月の平均値)の差異を「3-12(さんひくじゅうに)」と命名し、長期月次トレンドに対し、短期月次トレンドが浮上・悪化している企業をピックアップし、ご紹介していきます。

3-12の絶対値トップ3(直近3ヶ月の平均値が直近12ヶ月を大きく上回る):

ビジョナリーホールディングス(9263)、京都きもの友禅(7615)、ライトオン(7445)

3-12の前月比改善(「3-12」の絶対値が前月に比べて大きく上回る):

サンマルクホールディングス(3395)、テイツー(7610)、ハブ(3030)

既存店客数および客単価の推移:

6月単月の客数及び客単価は、それぞれ1.0%減、1.7%増でした。客単価は2016年10月以降、21ヶ月連続のプラスが続いていることに加え、更に長期のトレンドでは、2010年12月に客単価がプラスに転じて以降、単月でマイナスに転じたのは僅かに5ヶ月しかなく、客単価の伸びが既存店売上高の牽引役となる傾向が続いています。

6月度データ集計企業数は、248社(純小売り184社、外食64社)。
図表2:既存店売上高・客数・客単価前年比3ヶ月移動平均値の推移(%) 出所:各社データよりHidden Gems
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